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皇女凱旋
現行ステラ歴294年。
大陸ハイニウムは動乱の百年戦争、その終末期に差し掛かっていた。
「風追いの国」、および「遺跡の大国」を中心とする列強連合と、中原の小国同盟による大陸連盟は一進一退の攻防を続けていたが、双方共に消耗は大きく、次第に国力の限界を隠しきれなくなっていた。
戦火は大陸中を巻き込み、村を燃やし、街を焦がし、国を飲み込んだ。またその影で、かつて脅威をほこった魔獣達が着々と増殖の兆しを見せ、それに同調するように怪しげな新興宗教や、武器商売を生業とする闇の組織が台頭を始めていた。
そんな、有史以来の大戦の真っ只中。開戦より長らく中立を決め込んでいた「白銀の大国」メルキセドにも動きがあった。
北の大国の王都「銀嶺の都」ダイヤモンドパレスにて、つい先日、十五の歳の誕生日を迎えた皇国第七皇女が凱旋にやってきていたのだ……。
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