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「ちょっ、ちょっと待てって!!」
「待てるわけないだろっ!みてみろよっ!このままじゃ月海が死んじゃうだろっ!それでもいいのかよっ!」
「おい、おい、まず落ちつけってっ!お前ね、死んだのっ!で、これから俺がお前を天に連れて行くのっ!わかった?」
「わかってるよっ!それでもお前、天使かよっ!天使って、こんな悪逆非道なことするのかよっ!」
「いやいやいや、悪逆非道はお前だろ?俺は仕事してるのっ!魂を天に導くのっ!んでもって、その天に導く魂がお前なのっ!わかる?」
「あーもう、うるさいっ!うるさいっ!」
ガバッ!!
メキメキメキッ!!
「おっおいっ!何するんだよっ!羽っ!羽根もげるだろっ!!やめろっ!!」
「羽根もげれば落(堕)ちるだろっ!もいでやるっ!!」
メキメキメキッ!!
メリッ!!
バサッ!!
「うわぁぁぁ!!いっいったぁ!」
青白い空間に真っ白な羽根が舞った。
「おっお前、なんてことしやがるんだっ!俺の羽根、片方返せっ!!」
ガバッ!!
メリメリメリッ!!
「もう片方ももいでやるっ!」
「うわぁぁぁ!やっ、やめろっ!!」
バキッ!!
バサッ!!
「頼むっ!!月海のことっ!助けてやってくれっ!!」
ドンッ!!
「うわぁぁぁぁぁ!!後、50年だったのに!!」
その日、青白い空間から一人の天使が姿を消した。
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