第一話 あの日の約束

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「言ったでしょ。人に勧められるがまま、お酒は飲んだらダメだよって。」 「俺、そんなに飲んだっけ?」 「量はそんなに飲んでないけど、俺が勧めたのは甘くて飲みやすい、度数が高いカクテルだからね。だから酔いが回るのは早かったと思うよ。」 「何でそんなことするんだよ。俺強くないって言ったじゃん。」 「だからだよ。覚えてる?勧められるがまま飲んで、持ち帰られても文句は言えないよって言ったの。」 記憶が少し曖昧であるその辺りの会話を掘り起こし、そんなことを言ってた気がするなと少しだけ思い出す。 「でも男同士だろ。持ち帰ってどうするんだよ。」 「ミキちゃん、本当に覚えてないんだね。」 そんな意味深な発言に俺は首をかしげることしか出来ない。 カンタは一体何の話をしているのだろうか。 「ミキちゃん。あんまり無防備な姿を晒したらダメだよ。」 カンタはそう言いながら俺の傍まで来て、ベッドに腰掛けた。 何となく緊張する空気に俺は身動きが取れず、俺の手をそっと握るカンタの手にもされるがままになる。 そこで、自分の着ている服がスーツではないことに気づく。 明らかに袖があまりまくっている服はそれなりに大きく、カンタの服であることは直ぐに察しがついた。
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