第一話 あの日の約束

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「ミキちゃんは優しいよね。」 「何で?」 「だって、一言も気持ち悪いとか言わないから。関係を切られてもおかしくないのに、俺の我が侭に付き合ってくれるから。」 「まぁ、そりゃ純粋に告白されたら、そんな無碍(むげ)には扱えないだろ。別にカンタのことが嫌いなわけじゃないし、俺も飲みに行きたいなぐらいは思うから。ただし、俺に何かしようとした時は絶交だ。」 「しないよ。絶対にしない。神に誓ってもいいよ。だから、毎朝一緒に電車に乗ってもいい?迎えに行く。」 「分かったよ。でも俺はその電車賃は負担しないぞ。」 「そんなのいいよ。俺がミキちゃんを守りたいだけだから。安いもんだよ。」 カンタはとても嬉しそうであり、ご主人様に褒められて耳を垂らしている犬みたいに幸せそうだ。 そんな風に見えてしまうせいか、カンタに好意を向けられることに不思議と嫌な気はしなかった。 その日はすることがなかったこともあり、体調が回復するまでカンタの家にお邪魔していた。 空白の期間がなかったかのように、俺たちは子供に戻った感覚で遊んだ。 それから、俺たちは仕事の日は毎日顔を合わすようになった。 ただ苦痛だった通勤時間はカンタのおかげで楽しい時間になった。 毎日他愛もない話をしながら同じ駅でおり、各々の職場へと分かれていく。 時には休みの日にも遊びに出かけ、昔のように色んなことをして遊んだ。 俺たちの関係がもっともっと深くなっていったのは、また別の話。 ただ、カンタといる時間は昔と同じようにとても楽しい。 子供の頃のように、一緒にいたいがためにプロポーズを受けてしまいそうなほど、とても楽しい日々だった。 to be continued…
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