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「大丈夫だから。別に減るもんじゃないし。俺、酔ってきたから帰るよ。また飲みに行こうぜ。」
そう言って席から立ったが、俺が思っていた以上に酔いが来ていたのか足元がふらつき、それをカンタに腕を掴まれて支えられる。
「ごめん、飲みすぎたみたい。」
「まぁ、俺が飲ませたからね。ミキちゃん、あんまり人に勧められるがまま飲んじゃダメだよ。持ち帰られても文句は言えないよ。」
「何言ってんだよ、男同士だろ。御代いくら?」
「いいよ、もう払ったから。タクシーも呼んであるから、ちゃんと歩ける?」
「はぁ?いつ払ったんだよ。俺も出すって。」
「付き合って貰ったから。ほら、忘れ物はない?」
「俺はガキじゃない。」
「知ってるよ。段差あるから気をつけてね。」
俺はカンタに介抱されながら、呼んでいたというタクシーへと乗り込む。
その隣にカンタは当然のように乗り込んできた。
「お前も一緒に帰んの?」
「責任持って家まで送るって言ったでしょ。○○方面にお願いできますか。」
先ほど話していた俺の家辺りを告げ、タクシーは走り始めた。
足元がふらつくほど飲んだのは大学生以来であり、そんなに飲んだつもりはなかったのだが、話に夢中で気づかぬうちに飲みすぎたようだった。
合コンでの席で既に軽く酔っていたのが仇となったのだろう。
その酔い方は気分が悪くなるようなものではなく、程よい酔い方で気持ちよく、俺は知らず知らずのうちに眠りへと落ちてしまっていた。
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