第一話 あの日の約束

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「大丈夫だから。別に減るもんじゃないし。俺、酔ってきたから帰るよ。また飲みに行こうぜ。」 そう言って席から立ったが、俺が思っていた以上に酔いが来ていたのか足元がふらつき、それをカンタに腕を掴まれて支えられる。 「ごめん、飲みすぎたみたい。」 「まぁ、俺が飲ませたからね。ミキちゃん、あんまり人に勧められるがまま飲んじゃダメだよ。持ち帰られても文句は言えないよ。」 「何言ってんだよ、男同士だろ。御代いくら?」 「いいよ、もう払ったから。タクシーも呼んであるから、ちゃんと歩ける?」 「はぁ?いつ払ったんだよ。俺も出すって。」 「付き合って貰ったから。ほら、忘れ物はない?」 「俺はガキじゃない。」 「知ってるよ。段差あるから気をつけてね。」 俺はカンタに介抱されながら、呼んでいたというタクシーへと乗り込む。 その隣にカンタは当然のように乗り込んできた。 「お前も一緒に帰んの?」 「責任持って家まで送るって言ったでしょ。○○方面にお願いできますか。」 先ほど話していた俺の家辺りを告げ、タクシーは走り始めた。 足元がふらつくほど飲んだのは大学生以来であり、そんなに飲んだつもりはなかったのだが、話に夢中で気づかぬうちに飲みすぎたようだった。 合コンでの席で既に軽く酔っていたのが仇となったのだろう。 その酔い方は気分が悪くなるようなものではなく、程よい酔い方で気持ちよく、俺は知らず知らずのうちに眠りへと落ちてしまっていた。
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