57人が本棚に入れています
本棚に追加
第一話 あの日の約束
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしてくれる?」
保育園が一緒だった男の子に、いつだったかのタイミングで告白をされた。
結婚の意味など理解してないぐらいの、小さい頃の話だ。
ただ一緒にいて楽しいその子と遊びたかった俺は、特に深く考えずに肯定をした。
結婚の意味を理解していなかったのは、きっと俺だけじゃなく、相手の男の子も一緒だったはずだ。
俺たちは男同士だし、恋愛感情などなかった。
ただ、一緒にいて楽しい友達と一緒にいたい。
それを表す言葉が、結婚だと思っていたのだろう。
だからその約束を俺は直ぐに忘れたし、ある出来事があるまで、俺は思い出すこともなかった。
最初のコメントを投稿しよう!