レンズに映る君の姿

疑問

「よっす　昨日はどうだった？凪ちゃんw」
「めっちゃ楽しかった！」
「昨日ね！楽しみすぎて１時間前に着いてたんだけど風太も３０分前に来ててお互い早いね〜って話しててね」
「その後風太のカメラを見に行って一緒に選んだんだよ」
「お昼は風太のおすすめのところに行って何故か奢ってくれたよね」
「あのお店美味しかったからまた行きたいな〜」
「その後は普通に遊びながらいろいろ見てた！」
「お〜　そうかそうか楽しかったみたいで良かったな」
「うん！あっそうだ！」
これ聞いとかなくちゃ
「あのさ。別れ際にさ、こう後ろから引っ張られてバックハグ？されたんだけどそういうのって皆やってるの？」

ゴンッッ

「大丈夫！？いきなり机に頭ぶつけてどうしたの！？」
えっ？本当に大丈夫？
「あ゛～～～　うん。全然平気。」
「で、皆やるかというとやらない。なんでされたかは分かるけど自分で考えろ」
「なんでさ　教えてくれてもいいじゃん」
ケチ〜〜
「自分で気づかないと意味ないからだよ。それよりも凪は抱きつかれてなんか感じたか？」
なんか？？
「う〜ん　温かかった？あとドキドキした？」
「はぁ〜〜〜〜〜もう十分じゃねぇか...何でこれで...」
そんなため息疲れることかなぁ
「まぁそのうちきっかけでも大丈夫か。よし！」
「悩み事？話聞くよ？」
「そうだな　凪、お前今日提出の現文の課題やってある」
現代文の課題？
「とっくの昔に終わってるけど」
「やっぱ凪くんは優秀だな〜　てことで見して」
「しょうがないなぁ...たまには自分でやりなよ」
まったく
「はいはい　ちょっとトイレ行ってくるから机の上に置いといて」
「ん　わかった」
自分で気づくって何をなんだろ...わっかんないなぁ
まあいっか。本の続きよもっと

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凪はどうしてあんなに風大から好きオーラが出てるのに気づかないんだよ
日曜だって実質デートだろそれ
「僕は男の人の興奮する。でも僕は多分人を好きにならない」
下ネタトークをしてたときに幼馴染からの唐突なカミングアウト
たぶん本人はめっちゃ緊張しながら言ったんだと思うけど別に不快感は無かったし「ふーん」ぐらいの感想しか出てこなかった
というか凪は上手く隠してたつもりかもしれないけどずっと見てたら分かるレベルで漏れ出てたな
まぁそれは置いといて「好き」にも種類があるわけで
友達が〜とか家族が〜とかでは好きになるみたいだけど「恋愛」になると途端に理解不能になるらしい
正直に言おう。なんで？いやなんでそこまで分かってって急に分かんなくなるん？
深水凪。頭は良いし自分のことはわりかし理解してる。けどそれ以外が小学生だから周りから変人扱いされてる
実際はあいつの行動にはそれなりの理由があるけど「言っても理解されない、説明が面倒くさい」とぬかして説明しない
年中着てる学ランだってただでさえ冷房が苦手で体を壊しやすいっていうのに教室のバカ共がエアコンの設定温度を下げまくるからって理由で着てるからな
っとまた話がそれたな
凪は「好きにならない」っていってたけど多分初恋すらまだで恋っていう感情が心の奥深くに沈んでるんだと思う
で、今それが浮き上がり始めてる
俺は幼馴染には楽しくいてほしいしあいつには俺以外に甘えられる相手がいたほうが良い
だから凪のことが好きで凪が無意識に恋してる相手が出てきた今俺はこうして甲斐甲斐しくも動いてるわけだけど
「こんちゃ〜っす　２年の小鳥遊なんだけど日比谷くんいますかー？」