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3話
今日はちょっと散歩に行くことにした。
死ねないなら鬱を直そう大作戦…というわけではなく、ただただ暇なだけだ。
腕につけた絆創膏は剥がれ気味だったので強く押したが痛みは無かった。
「うはっw陰キャいるんですけどぉ〜?気色わるぅーい。」
私はうさぎのように耳を立て、そのことを無視して歩いた。
これだからモブ界の人々は…ぶりっ子をして男という装備を着用した上で気に入らない奴らに成敗し、自分の世界を創る。まぁ、正直言ってることは正しいんだけど。
私も自分で陽キャではない事は理解しているがあそこまで言われるとムカつく。
最近のカップルとは気味が悪い。
しばしそんなことを考えながら道を歩いて行った。
____辛いよ
ふとそんな声が聞こえた。
その声を頼りに本人を探し回った結果、路地裏へたどり着いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。アティシに罰を与えてください。許してください。守れなくてごめんなさい…許してください。」
そこには悪意の、っていうか殺気がすごい女性が1人。
「どっど、え、、、っと。」
コミュ障が続く。
「オホン、どうしましたか。なにかお悩みで?」
勿論のこと振り向きはしなかった。
「なんですか。」
返事だけはするんだ。
「なっ、何…してるんですか。」
「ジブンに罰を与えてるの。悪い事したから。」
これがヤンデレという奴なのか。
「アティシの彼ピが、事故で病院送りになったノ。大好き、愛してる。もっと痛めつけてホシイょ。」
悲しみに満ちた声には少し愛情、少し殺意の分担に感じた。
「…どこかで見たことが。」
誰だっけ、でも覚えがあるんだよな。
「アティシはアンタを知らないケド、名前は教えたるよ。有島 美月だ。」
「そうだ!」
思い出した途端に私はスマホを出して素早い操作でSNSを開いた。
「『最近アティシの彼ピっちが別のオンナと絡んでるって聞いたからアティシに罰を与えていきたいと思います。まず、カッターで腕に傷をつけていきマース( ´ ▽ ` )』ってツイートあなたですよね?!えっ、すっごい好きなんです!一つ一つに闇感があって!」
そこには美月と書かれたアカウントが。
「もしかしてアンタ、あの鬱垢の人?マジ?」
どうやらツイートがバズっていたため、相手も知っていた。
「…う、鬱垢???」
「アンタって死んでも死んでも生き返るっていう生き返りスーパーガールでしょ?もしかしてニュースになってた高校の死体ってアンタなの?本気だったらマジウケる。」
そこまで広まってるとなんだか恥ずかしっていうか。
「そうです…って言ったら笑われるんでしょうが、本気です。」
私は地面に正座をして言った。相手も古いベンチに座った。
「ふぅーん、まぁ。嘘ではなさそう…かな?」
信じてくれるヒトなんていないから判断がどうだか緊張するな。
「よし、ちょっくら死んでみよう。」
え?
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