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4話
「しっ死んでみてってなんですか?!」
「だーかーらー、生き返ってしまうっていう証拠だよ証拠。」
死ぬって、もしこれで死ねたらこの人殺人容疑で逮捕されるよ?いいの?!
「アンタだって死にたいんでしょ?楽になろうよ。」
耳元で囁かれた言葉には少し色気があった。
「あっ、あなたはいいんですか。」
彼女はカッターを片手に出して言った。
「彼ピの恨み、アンタにあげるよ、おっも〜い罪をあ♡げ♡る」
そんなことを言い、私は正面から胸あたりを刺され、出血した。
「ひっ、酷い…恨みを…人にぶつける、なんてっ、」
「えへへ〜♡♡アンタが死にたいって言ったからやってあげたんだよ〜♡ぽうぇ〜?それともなんでちゅか?生き返るってのは真っ赤なうちょなんでちゅか〜?」
「もしかして…学校の校門で刺したのもっ、アナタ…ですか?」
私は傷口を押さえて倒れこんでしまった。
「知ってたんだァ、大正解♡前世はアティシの旦那になるために努力してね///おやすみなさい、未来の彼ピ♡」
バサッ
「べっベット?」
目を覚ますとベットの上にいた。
「あっ!傷!!増えてるかな。」
案の定、腕の傷は増えていた。
なんで…なんなことするんだろう。
ピンポーン
ん?ウーバーイーツかな?
ドタドタ音をあげながら下へ降りる。
ガチャ
「あの、なんでしょう…!」
開けた途端、フードを被った男がナイフを向けて立っていた。
「入れろ、殺すぞ。」
「え、殺してくれるの?」
嬉しい…あっははは……ハァ。
「いいから入れろ。」
私は彼を入れた。
「なんで嬉しそうなんだよ。俺は盗みに来たんだぞ。怖くねぇーのかよ!!」
「殺してくれるって言ってるのにコワイって何?」
男は首を傾げた。
「は?それって、死にたいってこと?」
私は深く頷いた。
「どうせいいでしょ。死んでも誰も恨まない。」
すると彼は足をドンッと床へ叩きつけて言った。
「は?何言ってんだよ!?バカなの?!」
「えっでも今入れないと殺すって…」
「脅しだよ、ど、し。家に入るための方法。てか、お前やんでるだろ。」
見事に見破られたか。
「なんでうつ病なんかなってんだよ。死にてぇ?お前は明日いいことあると思わねぇワケ?だっさ、ださださださださださくっっっっっっっっっっっっそだせぇ。バカみてぇによ。死にたい死にたい死にたい死にたい死にたいってんじゃねぇよ。雑魚は雑魚らしく姑息に生きるもんだろぉ!!!!!!」
その時だった、彼のフードがとれて、顔が見えるようになった。
「っ…私だって、何度も何度も何度も何度も。辛いかったんだよぉ。苦しかったんだよ…今まで沢山、死んだのに。死ねないんだってぇぇぇぇぇ!!!!」
いつの間にか怒りで弱めのパンチを連続で彼の頭にぶつけた。
「じゃあ俺がいてやるよ!!!!!俺が、お前を止めてやるよ!!!!いくらでも泣け!怒れ!全て受け止めてやるから!」
その言葉が胸に刺さり、私はパンチを止めた。
怖さのある盗人はワタシに優しい言葉をくれた。
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