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044:領都での冬
領都ガーレバルには、その日のうちに到着した。早朝に出発して着いたのは夕刻。平和な移動だった。
「雪……」
シンシンと雪が降り始めたのは先程からのこと。ハルが空を見上げながらそう呟いた。ジャックが「どうりで寒いと思いました」と答えている。
「この辺の雪はどの程度まで積もるんだ?」
俺の質問に答えたのはエリスだ。
「膝ぐらいまでですね。この雪も明日の朝には、そのぐらいまで積もると思います」
「結構、降るな」
ラーダと今後の方針を相談する。
「移動が難しくなるな。カセの車は大丈夫なのか?」
「あぁ。雪対策はされている。だが危険であることに変わりはない。どうするんだ?」
ラーダの提案は2択だった。
「危険を承知でダンジョン都市に向かうか。それとも春までここで過ごすか、だな」
「ここで過ごすっても仕事はどうする?」
「それなんだよなぁ。北の山の峰に広がる森で狩りという手もある」
以前に、他の冒険者から聞いた話だな。
「あ~。確かかなり危険度が高いという……」
「あぁ。この時期にダンジョン都市に移動する危険と、どちらを取るかという選択だな」
「途中で雪原の中で野営といのも現実的じゃないな。俺はこの街で春まで過ごすを提案する」
ラーダはジャックを見る。
「僕はカセさんの案に賛成です」
次にエリスが答えた。
「私もカセさんの案に賛成です」
俺はラーダを見る。
「俺も賛成だ。ハルは?」
「はーい。どっちでもいいでーす」
ラーダが頷いた。
「決定だな。山の峰に広がる森の手前までは車で移動できるんだろ?」
俺は頷く。
「あぁ」
「よし。なら懸念事項はないな。さて、そんじゃさっそく今日泊まるところを決めようぜ」
宿は安めの所で適当に決めた。女性2人は2人部屋を使い、俺とラーダとジャックは格安の大部屋を使う。二段ベッドが部屋に並んでいるだけの場所だ。
ラーダから注意事項が。
「荷物は基本的にチェストに入れない。ベッドに置きっぱなしもなしだ」
盗まれること前提か。俺は少し迷ってラーダに相談。
「ポイントが1ポイント余っているんだが格納スキルがあれば荷物の管理が楽だが?」
「……取得してくれ」
「了解だ」
俺はステータスを操作。残っていた1ポイントで格納スキルを取った。
で、3人の荷物を放り込んだのだった。
加瀬のレベル17・・・0ポイント
異世界言語=1
読み書き=1
年齢=-2歳
キャッシュ=2回
索敵=3
銃の静音性=2
銃の威力=2
銃の反動軽減=2
弾倉数アップ=1
格納=1
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