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060:日常の生活
翌日。夜が明ける前に起き出して、朝の支度を済ませてパーティメンバー全員でハンターギルドの中庭。そこの一角に陣取った。
「よぉーし、全員揃ったな」
ラーダは朝から元気だ。
「なぁラーダ。なんで全員集めたんだ?」
俺の疑問。エリスさんまで何故?
「そりゃーおめぇ。仲間外れは可愛そうだろ?」
「そういう理由?」
「どうせ、訓練するんだ。なら一緒がいいだろ」
まぁそういうことなら……
「よぉっし。納得してもらったので、これから全員で素振りを行う。初心者も居るから最初は200回からだ」
200……それなら、まぁなんとかなる、か?
そう思った時もありました。
一回一回を脇を締めて、力いっぱい振り下ろす。そういう事を意識しながらやると、わずか20回で、腕が、非常に、重い。
「マジか……」
結局、出来のは110回までだった。ハルも似たような感じだ。ラーダが言う。
「まぁ年齢的なものもあるし、慣れない動きをしてのことだ。そんなものだろう。どうだ? キツイだろう?」
俺は頷く。
「あぁ。洒落になってねぇ」
「よし。とりあえず当面の目標は素振りを200回行えるようになることだ。カセもハルも、あくまで予備武器として剣を振れる程度になればいいからな」
一時間にも満たない時間の訓練。基礎体力作りから必要だな、こりゃ。
その後はラーダとジャックとエリスさんたちは、さらに素振りを行い、軽く乱取りを行い汗を流していた。
その後、朝食を摂ったら自由時間だ。とは言え基本的にやることがない。仕方がないので皆で、この世界のボードゲームに興じる。トランプみたいなカードゲームだ。軽く燻り豆を摘みながら、雑談に興じる。
「そう言えばカセよぉ」
ラーダが何かを思い出したように話し始めた。
「あの雷獣だっけか? 結局ランクはどうなったんだ?」
「あぁ。危険度のランクはAだそうだ」
「ほぉ。それをカセは瞬殺したのか。すげーな」
「いや。武器の相性の問題だな。剣や槍といった武器だと近づいただけで雷に殺られる。魔法は相殺され。唯一効果があったのは土属性だけ。だがそれも軽々と避けていた。銃はその点、弓矢より速くて威力もあるから」
「ほぉ」
「それにあの雷獣。俺らを完全に舐めてたからな。もし本気で来られてたら何もさせてもらうこともなく殺されていたと思う」
そんな会話を交わしながら、1日を過ごす。
そして翌日。朝起きたら筋肉痛。
それでも朝の素振りの訓練は毎日、行われたのだった。
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