act.1 拓海・新しい夢

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   翌日は美夜さんの体調も良いと言うことで、午前中に田中も一緒に近所の天王寺動物園に立ち寄った。 「鷹くん、ほらゾウさん!おっきいね〜可愛いね〜」 「わ〜い!」  鷹のベビーカーを押す美夜さんがとても楽しそうだ。その後ろにはちゃんと田中だ。 「ママに手術の時に大阪に来ようかと言ったら断られたわ。今は美音は鷹が慣れてる環境でゆっくりしなさいって」  俺が昨日の夜に聞いた手術の事を美音に言ったら、美音は付き添った方がいいかと。  鷹は福島なら母ちゃんもばあちゃんも居るから安心だし、それを美夜さんに聞いたのだ。 「私がいなかったら鷹にとっていつもの環境にならないでしょうって。こっちはお父さんも竜二もいるから大丈夫よって笑っていたの」  そうか。 「今度会う時にはきっとすごく元気になっているから楽しみにしててって」 「ああ」  昨夜の田中の話は嬉しかった。美夜さんにはきっと可愛い孫がもっと沢山増えて行くんだ、確かに元気にならなきゃと思うだろう。 「またここに遊びに来ような」  ゾウさんを背景に田中のカメラに笑顔で収まる美夜さんと鷹だ、きっといい写真が撮れるだろう。    その日の午後、俺達はいつもの新幹線と常磐線で福島に帰った。  
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