ファンタジーの世界

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ファンタジーの世界

   一日目  大きな樹。太い幹。  御神木のような大きさではなかった。明らかにファンタジーの世界だった。  モノクロの世界。色がないが、手にとるように分かる。  ああ、いい場所だ。  よくあるイメージの魔法使いが空を飛んでいる。  気持ち良さそうに、飛び交っている。  僕は見上げる。  素晴らしい光景に、子供のように目を輝かせる。  場面は変わり、どこかの山中の道を歩いている。現代的な道はない。しっかりと世界が構成されているようだ。夢なのに、夢の様にあやふやな光景は見当たらない。  だが、やはり音がない。  空気感の様なものは感じる様な気はするが、音は感じられない。  道を歩いているところを第三者視点から、少し上の方から見ていた。自分らしき人物と、他の人物が歩いている様子が見えた。  しかし、そこで目が覚めてしまった。    二日目  一日目と同じ夢。    三日目  視点が、少しずれていた。  大きな樹が見えるところは同じだ。だが、空まで見上げることはなく、次の場面へ移ってしまった。  次の場面は、やはり山中の道。しかし、その場面はずっと続く。  進んでいるが、進んでいない。  ずうっと、モノクロの画面。  サイレント映画でも見ているかのような、そんな錯覚に陥る。  不思議な感覚が続いて少しすると、目が覚めてしまった。  それから、この夢を見ることは無くなった。
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