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?/蜂の巣
ノイズが走った様な気がしたが、次の瞬間には場面が切り替わっていた。
見知ったテーブルの上には、見慣れていない、テーブルの上に置くには大きい植木鉢と、そこから生える観葉植物はやはりテーブルに置くには相応しくない大きさをしている。
そして、目の前にはその観葉植物の幹と、幹に張り付く蝉の姿。
そこで目を覚ました。
悲鳴を上げた気がしたが、わからない。
勢いよく上半身を起こして、まだ薄暗い自室を見渡した。
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あまり記憶に残っていないが、ここに記しておこう。
夢の中の僕は、見知った道を歩いていた。家の近所の坂道だ。住宅地の細い道路の橋を歩いていた。
これも、モノクロほどではないが、色は鮮明ではなかった。うっすらと、色がついた夢だった。
僕は、どこかの家の塀の前で立ち止まった。
上を見上げた瞬間、大きな蜂の巣があった。
僕は悲鳴を上げて飛び起きた。
薄暗い部屋の中、小さく声が出た。本当に怖かった。
現実にも、頭上に木の枝があるのではないか、頭上に蜂の巣があるのではないかという錯覚に陥った。
最後の瞬間だけが脳裏に焼き付いて、ほとんど記憶に残っていない。
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