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優香が予約してくれたのは、創作料理という無国籍だが美味しそうな料理を出す個室レストランだった。
優香は、こういうセンスは抜群にいい。
まだこちらに来てそれほど経っていないのに、いい店をチョイスしてくれる。
「私たち3人の再会を祝して乾杯っ。」
優香が楽しそうにグラスを掲げる。
今朝、河原部長に会って昨日の夜の話になった。
篤くんと飲んで話をし、「自分の退職後の後任として充分任せられる。」とご機嫌で話してくれた。
創業一族だからではなく、仕事や為人で認められるのは、さすがだと思う。
だからこそ、変な女に引っかかって欲しくない。
自分の元に戻って欲しいことより、悪い女から助けなきゃという気持ちでいっぱいだった。
「ねぇ、篤くん。騙されてない?」
少し落ち着いてから意を決して話をすることにした。
「え、何?」
「だから篤くん、あの女と別れた方がいいって。」
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