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「ゆ、優香ぁ。私…」
優香は優しく背中を撫でながら、私の話を聞いてくれる。
「間違えてたの?篤くんが言う通り、彼女は実はいい子で篤くんはちゃんと彼女が好きで…私は余計な事をして篤くんの友達でさえなくなっちゃったの?」
「うーん。飯田くんが人を見る目があるのは確かだし、私は最近しか知らないけど、浅倉さんが真面目で一生懸命なのは間違いないんだ。
よその課の人は色々言っているけど、裏で何かするほど器用っぽくもないよ。」
「…どうしよう…私…」
「いままで私が突っ走って、ふたりがなんとかしてくれるから音羽ってしっかりしていると思ってたけど、案外考えなしに突っ走るタイプだったんだね。」
こっちは困っているのに、優香はそう言って笑った。
「人が困っているのに笑うなんてひどい。」
「でも、私に怒って少し元気出たでしょ。」
「…うん…」
「今すぐは無理でも、落ち着いたら飯田くんと浅倉さんに謝ったら?音羽が惑わされるくらいの調査結果が出るくらいに浅倉さんを悪く言う人間がいたって事もあるみたいだし。素直に謝ったら何か変わるかもよ。
許してくれるかは、あちら次第だけど。」
「優香、ありがとう。優香は私の親友やめない?」
「やめないって。当たり前でしょ、どんな音羽でも私は親友だよ。まぁ、今回は暴走音羽が見れて新鮮だったけどね。」
そう言って優しく抱きしめてくれた優香に心から感謝した。
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