新生活と新しい恋

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新生活と新しい恋

篤くんに友達もやめると言われ落ち込んでいた私は、そのままID本社に戻り直接謝るタイミングを逸してしまってそのままになっていた。 時間が経つほどにきっかけがないと謝れないというもので、更に日々の生活の中、優先度が下がっていく。 その後、優香から篤くんが結婚した事を聞き、自分の初恋が完全に終わった…と思った。 と同時にいつか謝る日が来るのか? ふたりに拒否されるかもしれないと思うと、今度は篤くんがIDに戻って来る日が怖くもなって来た。 来年度にはこちらに戻ってくる篤くんは部長になるはずで、部長には普段は秘書が付かないが、重役の代わりに行くような出張や重要な取引先との打ち合わせなど秘書課が関わるものに関しては、準備したり同行したりする。 更に今後重役になる時に、顔を合わせる秘書課にいるのは都合も悪いだろうし、私もそろそろ新しいことに目を向けないといけないなと思っていた。 そんなタイミングで、いままでの経験も役に立つからと人事面談で提案されたのは、業務多忙で人材確保したいマーケティング課への異動だったので、一も二もなく受けることにした。 季節は、秋。定期人事異動の春ほどではないが、帰国子女や外国人枠での採用がある時期なので、私の異動も違和感を感じずに秘書課のみんなに受け入れられた。 新しい職場、企画部マーケティング課は、本社ビルの5階。 15階の秘書課に寄って、ロッカーに置きっぱなしだった荷物を持ってエレベーターに乗り込んだ。
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