新生活と新しい恋

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課長は、六ヶ国語できる海外駐在経験者だと聞いたがみんなが忙しそうな中、これだけだらけている姿しか見ていないと信じられない。 「ここは、残業って概念がない職場だから、自分で相手の時間に合わせてフレックスタイム。タイムカードはちゃんと押すように。」 やっと昼頃、起きてきた課長に説明してもらう。 「俺はみんなと違って、各国対応で徹夜も当たり前だから、俺の仮眠は勤務時間外だ。邪魔するな。」 事情が分かると叩き起こそうとした自分が悪いと気がついて、申し訳なくなる。 確かに重役も勤務時間や休日は、有って無いようなもの。 海外相手ならなおさらだ。 「まぁお嬢さんは、今日からだから仕方ないか。次から気をつけてくれ。」 髭面でボサボサ頭、ヨレヨレのワイシャツの上司に言われて、頭を下げるだけだった。
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