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幼い恋
私の初恋は、凰藍小学校の2年生に上がってすぐの頃だ。
同じクラスで席が近かった優香と仲良くなり、昼休みにおしゃべりしている時のことだった。
「ゆーか。今日、うち来る?」
少しやんちゃそうな笑顔の男の子が優香に声をかけてきた。
「あつしくん。今日、行くよ。」
「わかった。かあさんに言っておくね。」
彼がいなくなってから、優香に聞いてみる。
「さっきの子はゆうかの友だち?」
「うん。幼稚園から一緒の飯田あつしくん。3組の男の子。あつしくんのママが、お花の先生でお姉ちゃんのおけいこによくついて行って、おまけで教えてもらってるの。」
「そうなんだ。わたしも行ってみたい。」
「おとは、お花やってみたいんだ。あとであつしくんのママに聞いてみるから待っててね。」
あの子と友だちになりたいという理由だけで、優香のおけいこについて行くことにする。
お花は3年生までは遊びの延長みたいなお稽古で、それから小学校を卒業するまでは真面目に習っていた。
中学に入学する時にやめてしまったけれど、その頃には、優香と篤くんと一緒にいるのが当たり前なくらい仲良くなった。
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