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私の横で、幹事の律子さんと課長の会話を聞きながら、酔っ払いの私は課長に送ってもらえるんだぁとボーっとした頭で喜んでいた。
「あたま、いたっ。」
二日酔いの私が目を覚ましたのは、見覚えのないベッドの上。
しかもショーツに毛布という状況。
慌てて辺りを見るが、部屋には誰もいない。
とりあえず近くにあった洗濯済みっぽいワイシャツを一枚借りて、羽織ると水を求めてキッチンを探すことにした。
あまり生活感がないベッドルームだが、ホテルではなく高層マンション。しかもかなり上の階だと気づいたのは、ホテルにはあり得ないベッドルームの掃き出し窓から見える景色が物語っていたから。
扉を開けるとそこはリビングルームで、ローテーブルにパソコンを広げ、誰かとビデオ通話をしているいつもの仕事モードの課長がいた。
「課長…」
「ば、バカ。そんな格好で出て来んな。」
赤くなりながら、慌ててパソコンを閉じる課長に相手先に失礼じゃないかと言おうとしたが、ワイシャツ(多分、課長の)にショーツ姿で、しかも自宅マンションに女がいたら相手先が、なんて思うかと気付いて私のせいだと慌てる。
「あ、あの課長。」
「二日酔いの気分はどうだ?」
「私…」
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