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どういう事?
篤くんは、私が戻って来るのを待ってくれていたんじゃないの?
ぐるぐる考えていて、さっきの女の子の事を思い出した。
まさか…
あの子に誑かされた?
優しい篤くんの事だから、おとなしそうな顔に騙されて…
とにかくあの子が危険な女だと分かれば、目が覚めて私を思って待っていた事を思い出してくれるかも?
自分の考えが正しいだろうと思い込み、その足で探偵事務所に向かった。
慌てて撮った写真を見せて、篤くんの勤務先を伝え、周辺にいるはずのこの女の子を調べたいと頼んだ。
探偵は、身内の恋人の身元調査と思ったらしく、すんなり受けてくれた。
数日後、調査結果を眺めて私は自分の考えが間違っていない事を確信した。
学生時代は地味で目立たない印象だが、親しい友人と言う女性から裏の顔の情報を得たらしく、その後、現在の職場でも合コンに参加した男性の話も聞けていた。
遠距離の彼氏がいるにも関わらず、合コン三昧。
毎回、お持ち帰りをする肉食女子。
遠距離の彼氏が、篤くんじゃないのは間違いないから、二股?
いくらなんでもひどい女だわ。
早く篤くんの目を覚さなきゃ。
馬に蹴られるような事をしている自覚が全くない私は、部長が優香の様子を見に行きつつ立花科学の工場を視察すると言う出張に同行するチャンスをもぎ取ったのだった。
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