泥棒猫

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泥棒猫

大好きなはずだった。 本気のはずだった。 だけど  私の好きは彼の好きとは微妙に違うものだったらしい。 『泥棒猫』 相手の女に罵られた私を、誰が擁護するだろう。 ある者は汚れ物を見るように、ある者は好奇の目で 私を見下した。 一度悪いレッテルを貼られた者が謝罪をしてこれまでのように過ごせるほど、この世界は優しくないらしい。 ようやく悟った私は、手早く荷造りをした。
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