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家を出る直前に、スーツのジャケットを羽織る。
最後に全身鏡で自分の姿を確認する。
勿論、何度も何度も身体を捻って。
鼻歌を歌いながら、部屋の扉を開けた・・・。
そして、階段を降りていると・・・
駐車場にいる人を見て、私は大きな溜め息を吐いた・・・。
「アナタね~、こんな所にそんな高級車とめてて大丈夫なわけ?」
「・・・おはようございます。
もう何年もとめていますが、特に問題はないようですね。」
危機管理の意識が低いこの優男、私はまた朝からムシャクシャしてくる。
そんな私をムシャクシャする笑顔で見てきて、もっともっとムシャクシャしてくる。
優男の前に近付き、ピッカピカな高級車を眺めながら聞く。
「運転手してるの?」
「そうですね・・・。」
「そうなの。」
高級車を眺めがら、窓ガラスに反射している優男をチラリと見る。
「ま、頑張りなさい?」
「ありがとうございます。」
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