419人が本棚に入れています
本棚に追加
ピンポ───────ン
少し待った後・・・扉がゆっくりと開いた。
扉から少しだけ顔を覗かせた人が、私の顔を見て大笑いしている・・・
もう、失礼なくらい、本当に大笑いで・・・
「お化粧を取ると、老婆のようですね・・・」
「私のスッピンは酷いわ、認める。
でも、そこまで言われたことはないわよ。」
「そうですか?僕には老婆にしか・・・アナタ、なんていう格好しているんですか。」
「男なら普通、そこが先じゃない?」
「僕は・・・普通ではないのかもしれませんね。」
そう言いながらまたムシャクシャする笑顔で私を見る。
そんなこの優男に赤ワインを突き付けた。
「私、今気分が最高潮に良いの。
アナタ、付き合いなさい?」
隣の部屋の優男は驚いた顔をした後、少し俯いた。
「私を見なさい?今、私と話してるんでしょ?」
「そうですね、失礼しました。」
「私、今日は誰かと飲みたい気分なの。
でももうお風呂も入ったし、あなた付き合ってよ。」
優男はいつものムシャクシャする笑顔を消し、困ったような顔で無言になっている。
それは、ムシャクシャする笑顔よりも、私をもっとムシャクシャさせる。
突き付けた赤ワインを下に下ろす。
「突然ごめんなさいね。お休み。」
最初のコメントを投稿しよう!