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ピンポ───────ン 少し待った後・・・扉がゆっくりと開いた。 扉から少しだけ顔を覗かせた人が、私の顔を見て大笑いしている・・・ もう、失礼なくらい、本当に大笑いで・・・ 「お化粧を取ると、老婆のようですね・・・」 「私のスッピンは酷いわ、認める。 でも、そこまで言われたことはないわよ。」 「そうですか?僕には老婆にしか・・・アナタ、なんていう格好しているんですか。」 「男なら普通、そこが先じゃない?」 「僕は・・・普通ではないのかもしれませんね。」 そう言いながらまたムシャクシャする笑顔で私を見る。 そんなこの優男に赤ワインを突き付けた。 「私、今気分が最高潮に良いの。 アナタ、付き合いなさい?」 隣の部屋の優男は驚いた顔をした後、少し俯いた。 「私を見なさい?今、私と話してるんでしょ?」 「そうですね、失礼しました。」 「私、今日は誰かと飲みたい気分なの。 でももうお風呂も入ったし、あなた付き合ってよ。」 優男はいつものムシャクシャする笑顔を消し、困ったような顔で無言になっている。 それは、ムシャクシャする笑顔よりも、私をもっとムシャクシャさせる。 突き付けた赤ワインを下に下ろす。 「突然ごめんなさいね。お休み。」
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