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わいはすぐに姉ちゃんのもとに走った。
「姉ちゃん、学校でクイズ大会またやって」
「なに? いきなり」
「だから、クイズ大会やって。ほら、去年、学校行事『焼きいも大作戦』でやってたやん」
「嫌や、そんなめんどくさい」
「えー」
「どないしたんや?」
って言ってじっちゃんがリビングにやって来た。
「あ、じっちゃん。じゃあ、じっちゃんがクイズ大会やって」
「なに、クイズ大会?」
「白岳小学校横断ウルトラクイズやりたいねん」
「職員室に行きたいかー!」٩( ᐛ )و と言うと。
「お、おう!」とじっちゃんは小さく答えてくれた。
わいは、ノートと鉛筆をとってじっちゃんに渡した。
「クイズ作って」
「よっしゃ! 任せろ」
そう言って、じっちゃんはサラサラ何かを書き始めた。
「なっちゃんこと夏生君の誕生日は8月ですが、ユキちゃんこと雪生じっちゃんの誕生日は何月でしょうか?」
「はい! 1月」
「正解」
「じゃ、次わい。わいは、椎茸と春菊とピーマンが苦手ですが、姉ちゃんが食べれないものは何でしょうか?」
「はい、トマトがちょっとだけ苦手」
「じっちゃん正解!」
姉ちゃんが呆れて振り返った。
「あんたなに涼石家の秘密暴露するつもり?」
「そんなせえへんで。姉ちゃんの事だけやで」
姉ちゃんが、わいのほっぺをつねって来た「イタタタ」。
「えー、だって姉ちゃんやってくれへんし。ええやん。よし、姉ちゃん問題の特別ステージを作ろ」
「やめてー」
「じゃ、姉ちゃんやってえやー」
「嫌や面倒臭い」
「姉ちゃんのクイズに期待してんのわいだけちゃうで。ほら、去年クイズ大会で優勝した女の子いたやろ」
「あーあの賢くて、お行儀のいい子」
「彼女が姉ちゃんのこと、むっちゃ褒めてたで。ほんでクイズむっちゃ面白かったって(たぶんな。知らんけど)」
「えー、そう?」
「そう、そう。天才やって言ってたわ」
「うーん」
「他にもみんな、やりたいやりたいって言ってたし。わいも去年は参加できんかったから、今度は参加したいしなー」
「うーん」
「お願い」
「ま、涼石家問題出されても困るしね」
「やった〜!」
わいは喜んで飛び上がった。
「あ、今回はアメリカ横断ウルトラクイズみたいに勝ち残っていろんな所に行くクイズにして。できれば知力より、体力と運をマシマシマシで〜」
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