いいのか?

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いいのか?

「初詣行こうって言ったら付き合ってくれる?」  今年最後の部活終わり、体育館前の自販機でお金を入れた瞬間に言われて振り返る。  ガコンと音がして取り出し口を見ると、そこには炭酸飲料の缶が落ちていた。 「おい」  声を掛けてきたくせにその隙に勝手に押されたらしいそれ。 「ん?練習終わりはサッパリ炭酸!よくない?」  三木は悪びれることもなく、にこにこと笑った。 「よくない」 「えー?スッキリするよ?」  睨んでやっても三木は笑っている。  何を言っても意味はなさそうで、俺は仕方なくその缶のプルトップを開けた。  プシッと音がしてぶどうの香りがする。 「……甘っ」  うげっと舌を出すと、三木はケラケラと笑った。 「甘いの苦手?」 「進んで口にしようとは思わない」  ため息を吐きながらもう一度口をつける。  その間に三木も買ったらしく再びガコンと音がして俺もそっちに目をやった。  だが、三木が取り出したのはどう見てもミルクティー。 「炭酸でスッキリするんじゃないのかよ」  思わず睨みつけると、三木は手の中にある缶を見て笑う。 「んー?私は練習中に飲んでるから」 「……」  こいつは本当、どうしようもない。 「で?初詣って付き合ってくれるの?」  にこにこと笑われて俺は大きく息を吐き出した。
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