男バス

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「リキなんて同中だし、事故の前プレーだって一緒にしてた訳じゃん?」  いつも一緒に笑っているリキを思い浮かべてその名前に目をやる。  ヨッシーをマネージャーにって連れてきてくれたのはリキだし、昔から仲がいいらしくてヨッシーもリキには容赦ない。 「バスケはずっとやっていたいよなぁ」  ぽつりと呟くその言い方に思わず笑ってしまう。 「なっ、何だよっ!!」 「バスケバカ」 「セイに言われたくねぇんだけど?」  頬杖を付いてじっと見てやると、トモも笑いながらこっちを見た。 「否定はしない」  頷いてまた図に目を向けようとすると、トモはスマホを出して見せてくる。 「セイも行く?」  そこにはバスケ部のOBで家がバスケショップとレンタルコートをやっているウエ先輩のメッセージがあった。 「モト先輩とリョウ先輩とソウ先輩も来るってよ!」 「行く」  学校からすぐ近くで、先輩たちも来る中でバスケができるなんて行かない理由がない。  モト先輩は三年で引退してからもたまに覗いてはくれるが、リョウ先輩、ソウ先輩、ウエ先輩は大学一年でそもそも会えることも減った。  しかも、モト先輩とソウ先輩は俺と同じPGだ。  盗める技術は盗んでおきたい。 「ウエ先輩以外みんな上だな」 「あ!じゃあ、リキも誘おっか!」  トモはこういう人集めをする時、本当凄いと思う。
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