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「おぅ、セイ!調子はどうだー?」
入ったコンビニにリョウ先輩とウエ先輩が居て手を振られる。
頭を下げて側に行くと、ウエ先輩が肉まんをくれた。
「部活終わりか?」
「はい。先輩たちは……?」
「大学生の冬休みを満喫中〜」
ウエ先輩の向こうからリョウ先輩が顔を出して笑う。
その手元にはメモがあって見てはいけないかもと、俺は咄嗟に目を逸らした。
「あ、これは今度ウエん家でバスケやるチーム決めだから気にすんな!それより……何か悩んでんの?」
クルッとシャーペンを回して首を傾げられて俺は肉まんから口を離して少し考える。
でも、一人で考えたところで答えなんて出なさそうでじっと先輩たちを見た。
「先輩たちって……元カノとか引き摺ります?」
聞くとウエ先輩は黙り込んで、リョウ先輩はケラケラと笑う。
「俺は引き摺る!忘れらんねぇだろ!な?上松〜?」
リョウ先輩が?意外……と思っていると、ウエ先輩の肩に手を置いてニヤリとした。
「何で俺まで……彼女居たことなんてねぇぞ?」
ウエ先輩はムッとしつつ置いてあったアイスコーヒーを飲む。
「えー?未だに美原のこと忘れらんねぇだろ?」
「え……」
思わず声を漏らすと、ウエ先輩はリョウ先輩の頭を軽く叩いてこっちを見た。
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