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またタイマーが鳴ってウエ先輩たちもコートに入ってくる。
「チーム変えるか?」
その言葉を聞いてトモはちょっと眉を寄せてこっちを見てきた。
「今からでも会いに行くか?」
「何で?」
「何でって……付き合い始めてすぐバスケしに行って彼女放置とかマズいだろ!」
ちょっと慌てたようなその意味がわからなくて俺は首を傾げる。
「いや、別に一緒に帰るなんて約束してないし平気だけど?」
「はぁ!?それはちゃんと付き合う前だろ!?付き合ってんなら……」
「問題ない」
トモの言葉を制して立ち上がるとリョウ先輩も立ち上がってグッと伸びをした。
「トモ!いーんじゃね?付き合い方は人それぞれだろ?」
前にコンビニで話したからかリョウ先輩はトモと俺の肩に手を置いて笑う。
「何の話だよ」
「セイにちゃんと彼女ができたって話っ!」
ウエ先輩が理解できていないというように眉をひそめると、リョウ先輩はにこにこしてグーを差し出した。
「えっ!?」
やたら驚いているヨッシーは気になったが、俺たちはまたグーとパーに分かれてバスケを始める。
「えーと?俺、上松、リキ、ヨッシー……ってデカっ!誰がボール運ぶんだよ。俺か?」
メンバーを確認して苦笑いするリョウ先輩を見てこっちだって一番デカいのがダイだなんてゴール下とリバウンドは絶望だと笑ってしまった。
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