煩わしい

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「よっしゃーぁっ!ありがとう!アリスちゃん!」  部活でそのことを話すと、トモは嬉しそうに喜びを素直に口にする。 「いや、どちらかと言えば三木よりあっちのマネージャー……えっと、キク……」  よく考えたらちゃんと名前を知らなくて中途半端になった。だが、 「あぁ!菊川(きくがわ)先輩ですね!後で間のネットとか色々確認ついでに話してくるのでお礼もお伝えしてきます」  ヨッシーのできる男っぷりに救われる。 「頼むな」  言いつつ、申し訳なく思うのも……さお先輩の言葉を思い出して小さく息を吐いた。 「じゃあ、いつも通りランニングして、体操、軽くアップしてツーメン……くらいまで進めてもらってもいいですか?ちょうど菊川先輩来たみたいなんで、話して来ますね!」  持っていたノートを見て確認すると、ヨッシーはペコリと頭を下げる。   「あぁ!頼む。ほら、始めるぞ!」  ヨッシーからボールを触っていたり、笑っているメンバーに目を向けて体育館のライン際に立った。 「お願いします!」  全員が並んだのを確認して頭を下げると、他のメンバーも声を揃えて頭を下げる。  足を踏み出して走り始めると、そのままみんなついてきて練習が始まった。  どうしたって女バスが練習している半面に行って頭を下げているヨッシーが目に入る。  笑顔で話しているその様子を見て、俺は目を逸らして考えないように練習に意識を集中させた。
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