うんざり

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 スカートだろうが気にせず足を開いてしゃがみ込んでいた女はパッと立ち上がると、窓枠に肘を付いて面倒くさそうな顔をする。 「そんなの楽しい?」 「あぁ」 「理解できない」 「だろうな、で?」  スコアブックから女に顔を向けると、女はまた更に面倒くさそうにため息を吐いた。 「部長会っていつ?」 「今日」 「えー、どこで?」 「第一会議室」 「……わっかんないから行く時に呼んで」  本当にダルそうに女は上体を起こして首を回す。  同じ中学でそこでもお互い男バスと女バスのキャプテンだったために俺はこいつのやる気のなさを知っている。  そして、そんな無気力なのにバスケのプレーは凄くて、なぜかチームメイトにも信頼されていることも。  まぁ、嫌と言ったところで会議で人が揃わなければ遅れたりしてまた面倒なんだが、俺は意地でも返事はしない。  もうわかっているのか、女もそのまま背を向けて歩いて行った。 「セイっ!!なぁ!おいっ!!」  ガタンと俺の机がズレるほどの勢いでトモが突っ込んできて、俺はファイルとスコアブックが落ちるのを避けるためにパッと手で押さえる。  笑って謝りながら俺の前の席に後ろ向きで座るトモを見て、俺は仕方なくそれらを片付けた。 「あれ!あのフランスだかイギリスだか、とにかくハーフの美人だろっ!?女バスに居るけどいっつも声もかけらんないんだよなぁっ!!」  明らかに興奮しているその姿はもう呆れるを通り越して尊敬する。 「知り合いなのかよ!?めっちゃ仲良さそうだったじゃん!」  バンッとテンション高くトモが机を叩くのを見て俺はため息を吐いた。
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