煩わしい

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「それ、飽きないのか?」 「飽きるとかじゃねぇじゃん!マジの願望だぞ?」  呆れて聞いているのにトモはきょとんとしてから真剣な顔をする。 「……」 「引くなよ。ダイとユウだって彼女欲しいよなぁ?」  俺の反応に不満だったらしいトモが走りながらチラッと後ろを向くと、 「そうか?」  ダイにも裏切られてトモは頬を膨らませた。 「……まぁ……できるなら?」  それに気付いたユウが曖昧に答えてトモはユウの自転車と並んで走り始める。 「……でも、セイって……彼女居なかったっけ?」  代わりに前にやってきたダイに声を潜められて、とりあえずその声がトモには届いていないことを確認した。 「いつの話だよ」  ここ最近、やたらほじくり返される気がしつつ、前を向いて感情は乗せないようにする。  ダイはちょっと考えるような仕草をしてこっちを見た。 「……中学だけどさぁ。よく部活終わり待ってた子だろ?」  ダイとは中学は違うが、顧問同士が仲がいいのもあってしょっちゅううちの中学で練習していたために見られていたらしい。 「とっくに終わってる」 「へぇ……振ったの?」 「……今日やたら突っ込んでくるな?」 「いや?セイってそういうの話さないから貴重だろ?」  それ以上答えずに口を噤んでいると、いつも勉強をしているファミレスに着いて俺たちは先に入っていくトモに続いて店に入った。
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