うんざり

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 三木のクラスもSTが終わったみたいだが、目立つはずの三木の姿はいつまで経っても廊下に出て来ない。  仕方なく教室を覗くと、三木はクラスメイトとお菓子を咥えて笑っていた。 「三木」  呆れながら声を掛けると、振り返った三木が「あ」と思い出したように手を叩いてヘラッと笑う。  短く息を吐いて俺はすぐに足の向きを変えた。  廊下を歩いているとすぐにパタパタと足音がして隣に三木がやって来る。 「本当に忘れてた!ありがとーね!」  俺より八センチ高い三木を下から睨んでみても三木は笑いながら俺の肩を叩いた。 「あー面倒だねぇ」 「お前は何だってそうだろう?」  歩きながら伸びをする三木に思うまま返す。 「まぁねぇ!にしても、部長会って何すんの?」  他の女のようにその言動を特に気にすることもなく会話が続くからこいつは楽だ。 「さぁ?新部長挨拶しか聞いてねぇけど?」 「え……それって私もやんの?」 「そうだろ?」  足を止めた三木に気づきつつ、俺は階段に足をかける。 「えー!バスケ部!ってことで小嶋(こじま)が一緒に言ってよ」 「フザけんな」  二段飛ばしで追いついてきた三木を横目で見ると、三木はダルそうにしつつため息を吐いてこっちを見た。 「ねぇ、小嶋って“誠也(まさや)”なのに何で“セイ”なの?」 「俺らが一年の時はマサ先輩が居たから」 「ふーん」  適当に返しても気を悪くしないどころか、三木の方がポンポン会話も飛ばして頭には入れていないのは楽だった。
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