うんざり

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「え!女バスって新キャプアリスちゃんか!!セイ!また一緒だったのかよぉ!」  喚くトモは無視して俺は座り込んでバッシュを履く。 「ほら!いつまで休憩すんだ!次は?スリーメンだろ?」  俺が急かしたことで練習を再開するトモたちの向こうで練習しているために、どうしても目に入る女子バドミントン部を見つめた。  何人って言ったか……バドミントンのネットが張られた向こうの一面はネットだけで三つ。  どう見たって人数が多くて溢れている。  パシッと音を鳴らしながら跳んでいくシャトル。  体育館の中で響いている声はその一面と、顔を右にスライドした半面で練習している女バスの女の声が圧倒的。 「へいっ!」 「リバンっ!」 「ナイス!もう一本っ!」  男バス(俺ら)の声なんて、 「いーち、にー、さーん……」 「スクリーン!」 「ナイスインっ!!四ほーんっ!」  女バスの掛け声に簡単に掻き消される。 「元気ないですね?何かありましたか?」  ヨッシーがノートに何やら書き込んでいるのを止めてこっちを見下ろしていた。 「いや……」  立ち上がって伸びをすると、ヨッシーに肩を掴まれる。 「肩凝ってます?今日力入ってますし……」  軽く解されて苦笑いするしかなかった。  鋭いその指摘も素早い対処も美音先輩を思い出して頼もしく思う。 「えー!それはキツいじゃーん!」  女バスの方から三木の文句と笑う他のメンバーの明るい笑い声が聞こえてきて、俺は意識的に男バスコートを見て身長にも恵まれた今年、少しでも結果を残そうと改めて思った。
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