5年前

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 5年前、僕たちにとっての一大イベントの前日、4人で誓い合った。勝とうと。  僕は周囲の期待を背負いきれずに、負けた時の言い訳を作るような生活を送っていた。自分に託されたものは余りにも不相応だと感じていた。だからイベントから目を背けて堕落していた。それでもチームを辞められずに。練習を碌にしていないのに、まだ才能なんてものを信じていた。いや、信じていたかったのだろう。中身は伴ってないくせに一丁前に仲間面をして誓い合った。  周りの期待は泡となった。彼女は勝手に期待を押し付けてしまったことに責任を感じていた。僕が逃げただけなのに自分を責めていた。仲間が負けたのは僕のせいかも知れないし、単純に個々の力不足かも知れない。  次は誰の足を引っ張らずに勝ってみせる。重圧を言い訳にするのは自分の心の未熟さだ。
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