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No.1
運命の番さんは、僕の腕を握り怒りながら部屋を出てしまった
僕の腕のちょっとしかない筋肉をムニとされたのでちょっぴり、痛い
部屋を出て、廊下を歩く
多分、エントランスホールに行って帰るんだと思われる
歩きながら、運命の番さんが何かブツブツ言ってるみたい
耳をすましてようく聞いてみると「潰してやるからな、覚悟しとけ」と言う、怒り、憎しみの感情が入った声をボソボソ呟いていたみたい。
怖っ
一瞬にして胸が凍り着いた感触
冷や汗も出てきてしまいそう
僕が心の中で怖がっている中、エントランスホールにたどり着いた
まだ、従業員の子達が居て、運命の番さんを見た瞬間気まずそうだった
運命の番さんが怒鳴り散らすように「そこどけ!」ど言った
みんなハッとして一斉に離れていった
だけど、1人突っ立っている子が居た
その子はここの店でNo.1を取っている『かれん』という名前の男性オメガ
自他ともに認める美貌の持ち主で、庇いたくなるような見た目、声をしている
性格はキツい子だ
性格を真似ようとは思わなかったけど立ち振る舞いとかは憧れだった
1人突っ立っている時からずっと黙って僕のことを見てくる
そして、僕に近ずいてきた
コツコツと足音が聞こえ、次第に僕の心臓もドクンドクンと体内で鳴り響く
コツン、靴の音が止まり、心臓の激しい鼓動も一気に静まり返った。僕の顔に近ずき「やっぱり、あんたのこと好きになれないわ。僕がの方が断然美しい見た目をしているのに…。」
ちょっと一瞬理解できなかったが、脳内でリピートをしてようやく理解出来た
要は僕のこと遠回しに不細工って言いたいんだね
ま、否定はできないし。かれんの顔がいいのは十分わかる
ただ、運命の番さんの前で言って欲しくなかった。色んな思いが心の中でごちゃごちゃになって、運命の番さんにも申し訳なくなり、顔を下に向けた
そして、それを聞いた運命の番さんが静かに口を開いた
「あ?」
その運命の番さんの声を聞き、かれんは目を僕から運命の番さんの方に向けた
「僕の方が可愛いですよね♡」と猫なで声で言う
僕はそんな可愛い言動されたら、「うん」って言うだろうなって思ってたけど、「何言ってんだお前。可愛くねぇよ」と聞こえた
一瞬、聞き間違えかと思った
みんな口を揃えて可愛いねって言うのに…。
かれんはそれを聞いて、放心状態だった
「ぼ、僕が可愛くない…。」
運命の番さんはかれんを無視して「優、行くぞ」と声をかけられた
行くぞと言われて急いでついて行く
去り際にかれんの表情を見た
あれだけのことを言われたが、とても心配だったためだ
悲しみ、憎しみ、辛い感情がこもった顔、それに、遠くて聞こえなかったが「許さない…。」と聞こえた
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