1-2.

1/2
前へ
/14ページ
次へ

1-2.

 そんなミニブタの姿を、遠くからじっと見ている者がいた。ウサギである。  ウサギは、本当はここに来るつもりはなかった。  大金持ちの金庫に盗みに入ったあの日、ウサギとミニブタは盗んだお宝を手分けしてリュックで運んでいたが、力持ちだという理由で、ミニブタのほうがたくさんのお宝を背負わされていた。  しかし、二匹が持って逃げたお宝には、その値段に大きな差があった。ダイヤモンドの価値によるものである。  ウサギのリュックの中には、滅多にないくらい大きな粒のダイヤモンドが入っていたのだ。  ミニブタはこのことを知らない。  そのダイヤモンドが金庫の中から出てきた時、ウサギはそれをミニブタに知らせずに、黙って自分の荷物に入れた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加