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【限定解除!?】7.ずるい、スイーツとキス
「……すげー、ピカピカなスーパーだな」
「うん。一般的平凡庶民の俺には、いつまでたっても馴染めない」
わかる気がする、と同じく正真正銘一般平凡庶民の天笠は哉有の後に続いた。
しかし、だ。何だかんだ言っても、都和のそばにいる今ごろの哉有は、服装や小物もそれなりのものを身につけるのが当たり前になっている。もともと哉有は顔立ちも整っていて落ち着いた雰囲気を持っているので、こうしてある程度の高級スーパーで買い物をしていても、実際のところは外から見ていると全く違和感がない。
が。
「……なんか、すげー見られてねえ?」
天笠はそうでもない。
坊主頭にタトゥーを入れているくせに、妙に清潔感のある厳つい野郎。はっきり言って、こっちはかなり異質で得体が知れない。
「そう?気のせいだろ」
そして哉有はいかんせん、こんな状況を把握する能力に欠けている。
「あ、これだ」
「いいよ、かせ」
哉有が取ろうとした米の袋をあっさりと持ち上げると、
「これだけで10,000円もすんのか」
天笠は目を丸くした。
2キロだぞ、2キロ。
普通、10キロで4000円ってとこだろ。
「……弁当にすると、ごはんはそれじゃないと食べれないって言うから」
冷めても柔らかくて、粘りと甘みがおいしいお米。
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