【限定解除!?】7.ずるい、スイーツとキス

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「ただいまー」 「お帰りなさい」  ビーフシチューのいい匂い。「二日も連続で?」なんて言われても、都和からすれば作り手が別なら料理は全く別物で、同じ料理なら哉有が作ったものの方が美味しいに決まっている、と思っている。  事実、そう。  一緒にリクエストしたガーリックトーストは、ガーリックバターがたっぷり塗られて、パセリなし。それに今日は、 「お。アイスティー。綺麗な色だな。天笠と行ってきた?」 「はい。スコーン、全種類買ってましたよ。次は彼女連れてくって」 「女子は喜ぶだろ」 「と思います。さんちゃん、ああいう店好きだから」 「さんちゃん?」 「あまやんの彼女。一つ年上で、めっちゃくちゃきれいでかわいい」 「へえ……」  いまいち、都和に哉有の交友関係はよくわからない。  そのうち紹介してもらおう。 「いただきます」 「どうぞ」  ふふ。  哉有の、たまに出てくるこのそっけない「どうぞ」が都和は好きだ。全く飾らなくて、本当に素直な「どうぞ召し上がれ」。 「ん。……やっぱり、これ」  大好きな、哉有が作るビーフシチュー。ひと口食べて、やはり都和の唇が微笑んで無意識に呟いた。カリ、と正面で音がするのは、哉有がガーリックトーストを齧っているからだ。 「ああ、来週の金曜の夕方」  どき。  上目遣いに哉有が都和を見た。 「……食事会?」 「まあな。お前も来いとさ」 「やだ」 「だめ」 「落ち込む」 「なんで」
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