【限定解除!?】8.やる気になったかもしれない

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 テーブルについても、哉有の表情はいまいちだった。 「ん。これ、好きなやつだよな。こないだのより皮がもちもちでうまい」  哉有が好きな、水餃子鍋。 「……うん」 「フカヒレスープ入りのやつ、試食してほしいって言ってたけど、食う?」 「食べる」 「なら、頼んどくな」 「うん」  くす。  無表情で食べている哉有が即答し、都和は思わず笑った。  哉有が頭の中であれこれ考えている時は、話しかけても敬語や丁寧語が出ない。そして、会話が単語になる。 「本、ありがとな。あそこ、取り寄せるの早いけどここから遠いんだよな。助かった」  ぴく。  哉有の眉が上がった。  ん? 「……あんなの、お嬢さんじゃない」 「哉有?」 「……なんか、めちゃくちゃ腹が立ってきた……」  都和の肩が、小刻みに震えている。  不機嫌そうな哉有の話を真面目な顔で聞いてはいるが、気を抜くと爆笑しそうで、都和本人は必死。  そう。  見合写真③の彼女は、一般人の「理想のお嬢様像」をぶっ壊した訳だ。  相変わらず世間一般の「お嬢様」像は優しく、美しく、品がある、理想的な女性。当然のことだろうが、さすがにそれでは、彼女らの世界ではやっていけないので、本当にデキルお嬢様は、ちゃんと裏の顔を隠し持っている。
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