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す、と冷たくなった都和の視線が哉有を見つめ、どちらかというと、恐怖に近い感覚が哉有の身体を駆け抜けた。
「……すっきりした」
「どこが」
「……美咲さんが、怒ってくれて」
そう。自分のことのように。
「は?」
「でも」
「?」
哉有がじ、と半眼で都和を見た。
「……何だよ」
「あいつだけは」
「あいつ?」
「絶対に許してやらない」
低く呟いた哉有に、一瞬都和は驚いた表情を浮かべたものの。
「俺の前では、いつもそれぐらい素直でいてくれていいんだけどな」
哉有と目線を合わせると、大きな手のひらでそっと艶やかな髪を撫でた。
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