【限定解除!?】9.見合写真③の彼女

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「え?あ、すみません。おいしくて、ついもくもくと。天ぷらはさくさくで、こっちの塩で食べた方が俺は好きです。茶碗蒸しも、めちゃくちゃおいしいですよ」  哉有は哉有で、すでに自分の夕食モードになっていた。  ぷ、と都和が笑うと、 「え?……あ」  周りに人がいたのを思い出した。 「……すみません。つい」 「うん。うまいな。茶碗蒸しは、哉有の一番好きなやつ……、銀杏やる」  都和は、銀杏が嫌いだ。  ころ、と哉有の手もとの小皿に立派な銀杏が転がった。 「行儀悪い……」 「これだけ」 「舞茸の天ぷら、残しちゃダメですよ。めちゃくちゃおいしいから」 「……舞茸……やる」  都和は、銀杏も舞茸も嫌い。 「だめ」 「これだけ」 「こんなにおいしいの、食べたら好きになります」  正面では、なんとも言えない表情の三井川と、呆れたような美咲母が二人を眺めている。 「あれ。……うまい」  さく。 「ほらね」 「何だこれ。それも食っていい?」 「どうぞ」  すでに、外食に来た恋人同士二人の世界になっている。 「美咲さん」 「ん?」 「天ぷら、まだありますから、よろしかったら」
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