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【限定解除!?】10.甘くて、痛い
「ただいまー」
「お帰りなさい。あ、スコーン」
「チーズとポテトのが出てた」
「先週書いてあったやつ?」
「DM見ながら、食いたそうな顔してただろ」
「……嘘だ」
くす。
「見合写真③」の三井川との食事会から数日。
相変わらずの頭痛と、時々痛む腹に違和感を感じつつ、それでも哉有はいつもの精神状態に戻っているように見えた。
「冗談。見たら、俺が食いたくなったの。だから二つずつだろ。お、豆腐うまそー」
テーブルには、肉じゃが、焼き魚、揚げだし豆腐のそぼろあんかけ、具沢山(野菜)の味噌汁。
すぐに着替えて戻った都和は、炊きたてのごはんがふんわりと盛られた茶碗を受け取り、一つを正面に、一つを自分の前に置いた。
「でも、俺のお守りばっかりしてないで、たまには友だちと食ってきてもいいんだぞ?天笠たちに誘われるだろ」
きょと、と正面から哉有が都和を見た。
「平日はほぼ毎日、昼はみんなで一緒に食べてるから、あんまりそんな話にならない……、それに俺は」
「いただきます。……ん?」
哉有の眼が、す、と向こうに視線をずらした。
「夕食は、美咲さんと、……一緒がいいですけど」
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