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俺が作った料理を、こんなふうに「うまい」って食べてくれるのがものすごく嬉しいし、楽しいし、
なんか……安心するんだよな。
そう。何故か最近。見合写真の女性とのあれこれイベントがあってから、ずっと胸の中がもやもやしているのだ。自分でも、気持ちが不安定になっているのがわかる。
「そうだな。そんなこと言う俺も、実際は哉有と一緒にいたいんだけど。飯食って、話して、くっついて。この日常が最高に幸せ」
「……恥ずかしくないですか」
「何が?」
「…………」
真っ赤になった哉有が、困ったように手元の焼き魚をほぐし始めたのを楽しそうに見ながら、
「哉有、来週の金曜日」
「嫌です」
「何が」
「またどっかで夕食会か何かでしょう」
「……何で?」
「ものすごく変な予感がする」
「…………」
もぐ。
じゃがいも、うまい。
「食べたら、風呂」
「入りません!今日は自分の部屋で寝る!」
「何で」
「だってまた」
どんな約束であれ。それを反故になんて絶対にしない、そういうところはとことん真面目な哉有の性格をこんな時こそありがたく利用してしまう都和に、とりあえず物申し。だってこれは間違いなく、
風呂→ベッド→泣かされ放置→夕食会承諾パターン!
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