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「まあ、無理しない程度に、リフレッシュしなさいね。君は割と動じない方みたいだけど、ストレス自覚すると体調やHeatにはてきめんに出ちゃうから。僕の知り合いのカップルもそんな感じでハラハラしてるんだよね。一般のカップルでも大変なのに、出来がいいΩとαのカップルは何かと周りが騒ぐから。特に君の場合は性格的に入院でもしないとずっと寝てるわけにもいかないだろうけど、今日明日くらいはのんびりしてなさいね」
「……はあ」
くす、と桜橋は笑って立ち上がった。
「君は、僕の親友とよく似てるんだよね。あれこれ考えて動いて、のんびりしてられない性質なんだろうけど、だめだよ。うん。まあ、大丈夫そうだね。はい。……美咲さん、終わりましたよ、どうぞ」
ドアを開けると、廊下の反対側で壁にもたれていた美咲に声をかけた。
「柊くん、身体は問題ないですが、今回はストレスと疲れですね。心配なら一晩ここで休んでもらってもいいし、帰ってもらってもいいですよ。ああ、柊くん。来週予約が入ってるけど、今日薬出して、来月の予約入れとこうか?」
「お願いします。あと、帰ります」
そう、と桜橋は微笑してパソコンに何かを入力し始めた。
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