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「じゃあ、無理しないように。今日明日はちゃんと休むこと。はい、処方箋……あ、印鑑がない。酒井さーん、ごめん、第6診察室から僕の印鑑持ってきてくれるー?」
んもー、先生、持って歩いて!と叫ぶ声と、看護師が走っていく音が聞こえた。
「すみませんね、病室で処方箋印刷することってあんまりなくて」
都和は相変わらずマイペースで穏やかな桜橋医師と廊下であれこれ話をしていたようだが、哉有の点滴が終わる頃には病室に戻ってきた。
「気分は?」
「大丈夫です。頭痛もほぼ治りました」
桜橋は頷くと、お大事に、と病室を出て行った。
「何なら、食事付きで休んでくか?」
起き上がった哉有を見ながら心配そうに行った都和に、ぷ、と哉有は笑い、
「ここ、落ち着いて寝れない。迎えに来てくれたんでしょう?」
「……一応、そのつもりだけど」
「一緒にいたいから、帰ります」
揃えてベッドの下に置いてあった靴に足を入れた。
「……病人じゃないんですから」
「たまにはいいだろ」
だから、極端なんだって……。
二人で自宅に戻って30分、ただいま時間は17:45。
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