2702人が本棚に入れています
本棚に追加
/247ページ
「ベッドは嫌だ」と主張した哉有は、結局広いリビングのソファに座らされてから立たせてもらえない。
鳴り続けるドアの呼び出し音、フードデリバリーサービスで運ばれ続ける料理、行ったり来たりを繰り返す都和。
「……どれだけ頼んだんです」
「さあ??お前が好きなものを頼んだつもりだけど」
はい。
鰻、ラザニア、寿司、すき焼き・しゃぶしゃぶ(ちゃんと出来上がって、鍋と取り皿など一式届いている)、天ぷらの盛り合わせ、ステーキ各種、焼肉セット(当然グリル・取り皿付き)、チーズフォンデュ、焼き菓子からアイスまでデザート各種。どれも二人分には多すぎる。
「ラーメンと餃子も頼むか」
呟いた都和に、哉有の顔が引き攣った。
「……十分です。それ以上食べれないでしょ!やめてください!」
当然テーブルに収まるはずがなく、キッチンのカウンター、ソファの前のローテーブルまでが一杯になった。
(どーすんだよこんなに……)
「どれが食べたい?」
それでも、可愛らしく顔を覗き込んでくる都和に、哉有は笑ってしまった。
(そういうスタイルだったのか)
自宅でビュッフェ。
やっぱり、一般人の感覚じゃない。
最初のコメントを投稿しよう!