【限定解除!?】11.哉有の、定位置

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 目の前には、都和の腕。後ろから大きな肩に抱き込まれ、首筋から静かな寝息が聞こえてくる。 「……ん、起きた?辛いか」  ほんの少し身体を動かすと、耳元で都和が囁くように言った。 「ううん。トイレ」 「ん。転ぶなよ」 「子どもじゃないですよ」  苦笑した哉有の頬に後ろから口付け、そっと腕を解くと、すぐに都和はまだ寝息を立て始めた。  キッチンもリビングも、何もなかったように綺麗に片付いていた。 (あれだけの料理、どうしたんだろう)  なんだかんだ言いながら結構食べた気はするが、全部平らげたわけではない。  何気なく冷蔵庫を開けると、 「あ」  いつも、哉有がしているように。  残った料理は形の揃った耐熱ガラスの保存容器に移され、きれいにスタッキングされていた。  デザートものは冷凍庫に。  鍋や器は引き取りに来てもらったようで、何も残っていない。  ふと見ると、炊飯器の予約ランプがついている。  そう言えば、「明日の朝は鰻丼と鍋な」なんて贅沢なことを言われていたかも。 (家事なんて、全然しないと思ってたのに)
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