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その通り。平素の都和なら全くしない。が、見よう見まねでもできるものかと都和が思い、やってみたらできただけ。
ふ、と哉有の表情が緩み、静かに寝室に戻ると、小柄な体は都和の腕の中に潜り込んだ。
「……ん。おかえり」
ごそ、と確かめるように抱きしめられ。
今はここが哉有の定位置だが。
(美咲さんが誰かと結婚したら、こんなことは無くなっちゃうんだろうな)
こんなふうに、自分に何かあった時に駆けつけてくれたり、朝まで一緒にいたり。
(……ちゃんと認めてもらえる奥さん、か……)
堂々と、都和の隣に居られる幸せなんて。
(羨ましい……)
言葉にはできないけれど、それが本音。
哉有は、まだ自分も都和も、信じることができていない。
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