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炊き立てツヤツヤのご飯とセットで取り皿が用意された。
「柳さんは一緒に食べないんですか?」
「いえ私は……あら、都和さん」
「ほら座って。一緒に食おう。母さんもちゃんと三人分用意してるよ」
「まあまあ……」
都和の隣に哉有、都和の正面に柳。
いただきます、と三人で手を合わせると、
「哉有、湯葉食う?」
「食べたい」
「牛すじ好きだよな」
「好き」
実家では見られなかった、恋人に世話をやく都和を見て柳が嬉しそうに微笑すると、最後に自分も箸を取った。
このおでん、絶品。
出汁、最高。
そんなにおでんは好きではない哉有は、「おいしい」を連発しながら珍しくいろいろな具材に箸を伸ばしつつ、柳が語り始めた今回の「見合いもどき3連発」の話を聞いていた。
1回目の「本当の」見合いは、母の誤算。
2回目と3回目は、哉有のことを知りたくてある意味「けしかけた」イベント。
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